更新日:

自動車保険の基礎知識

大雨による冠水で車が水没した場合、自動車保険で補償されるの?

自動車が水没し故障した場合

雨の日は自動車を使って移動することも多くなると思います。もし大雨で道路や駐車場が冠水し、自動車が水没し故障した場合には、自動車保険からの補償が受けられるのか、不安に感じる方もいるでしょう。補償の可否に関して回答しますと、「一般条件の車両保険」か「エコノミー車両保険(車対車+A)」に加入していれば、大雨による冠水での被害に対しても補償の対象となります。

車両保険って、何種類あるの?

自動車保険の車両保険は、自分の車が事故で損害を受けたときに、車の修理代を補償してくれる保険です。契約の種類に、「一般条件の車両保険」、「エコノミー車両保険(車対車+A)」、「車対車の車両保険」の主に3つがあります。「車対車のみ」という車同士の事故のみを補償するプランもありますが、補償範囲の狭さからお勧めはできません。

一般条件の車両保険、及びエコノミー車両保険(車対車+A)は、他の自動車との衝突・接触の事故による損害に加え、大雨による冠水が原因で、自分の車が水につかってしまうなど、水が原因で自動車が故障した場合にも補償対象となります。
車両保険を使うことにより等級が下がることも…
大雨による冠水で自動車の水没で、エンジンや電気系統に水が入り込むと、自動車の外観はそれほど傷んでいなくても、修理ができず廃車となる場合もあります。この場合、修理不能の全損となり、契約時に設定した保険金額の全額が支払われることになります。

自動車保険を使うと等級が下がり、翌年の保険料が上がります。他の自動車との衝突・接触の事故では等級は3つ下がりますが、大雨による冠水での水没は等級が1つ下がります。大雨による冠水以外にも、高潮や堤防の決壊による洪水を原因とした水没も補償の対象となりますので、車両保険に加入している場合は、今一度、補償内容を確認することをおすすめします。
車両保険に入ると自動車保険の保険料が高くなるので、車両保険を付けていない方も少なくないようですが、水害というのは、予想もしない時に起こることもあります。大雨などの水による損害に備えたい場合は、一般条件の車両保険かエコノミー車両保険を選びましょう。

車が冠水したときは保険会社やロードサービスに連絡を

台風などの大雨による冠水で自動車が水没してしまったら?と考える方もいらっしゃると思います。実際に冠水をしたときは、慌てずに車のエンジンをきりましょう。その後、安全な場所に避難します。安全な場所に移動したら、自動車保険の契約している会社やロードサービスに連絡をして、その後の指示を仰いでください。

保険契約会社によっては、万一の事故や自動車の故障に備えて、24時間365日対応の電話受付サービスがあり、無料のロードサービスの手配を受けられる特典があります。車の水没で、加入していた保険の契約内容がわからない場合でも、わかる範囲の登録情報を伝えていくと、その情報を基に対応してくれるので安心です。

ファイナンシャルプランナーによるコメント

雹などの自然災害による車の損傷は、車両保険の契約状況(補償範囲)により対応が異なります。現在保車両保険はエコノミー型や一般型が主流なので、そのいずれかに加入していれば補償が受けられます。自然災害による車両の損害は、想像するよりも高額な修理費用がかかるケースが多くなります。実際に車両保険から支払われる保険金額は、数十万円単位、あるいは100万円を超えるケースも少なくありません。購入してからかなり年数が経っており、そろそろ車の買い替えを考えているというケースでない限り、車両保険については付帯することをお勧めします。

畠中 雅子の写真
監修者 畠中 雅子
(はたなか まさこ)
Webサイト ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ
SNS Facebook
プロフィール ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。

よく見られているおすすめコラム