自動車保険の基礎知識
台風によるマイカーの損害は自動車保険でどこまで補償されるの?
近年は大型台風や線状降水帯による豪雨などの被害が増えており、「車が水没した」「飛来物で車体に傷がついた」といったトラブルが頻発しています。しかし、こうした自然災害を原因とする自動車の損害は、公的な補償や火災保険では原則カバーされないケースがほとんどです。車の損害に備えたい場合は、自動車保険に「車両保険」の補償をセットしておくことが重要です。
台風被害に備えるなら「車両保険」が必須
自動車保険の中で、台風による損害を補償できるのは「車両保険」です。
車両保険には大きく3つのタイプがあります。
- 一般条件の車両保険(フルカバー)
- エコノミー車両保険(車対車+A)
- 車対車限定の車両保険
このうち、台風による被害に対応できるのは「一般条件」または「エコノミー車両保険」です。車両保険に加入していても、「車対車のみ」を補償対象にしているタイプだった場合、修理費や買替費用はすべて自己負担となるため、注意が必要です。
「車対車限定」では台風被害は補償されない
3つの中で最も補償範囲が狭いのは「車対車限定型」です。
これは、他の車との衝突・接触事故のみを対象としているため、
- 飛来物による損傷
- 冠水・水没
- 土砂崩れ
など、台風をはじめとした自然災害による被害は、補償の対象外となります。車対車限定型の車両保険は、他のタイプに比べて保険料は安くなりますが、自然災害リスクには対応できない点を理解しておくことが大切です。
台風で補償されるケース・されないケース
「一般条件」や「エコノミー車両保険(車対車+A)」であれば、以下のような台風被害は補償対象となります。
補償対象の例
- 飛んできた看板や瓦で車が破損した
- 強風で倒木が当たった
- 豪雨による冠水・水没
- 土砂崩れに巻き込まれた
- 立体駐車場が浸水した
一方で注意したいのが「単独事故」の扱いです。
補償の違い(重要)
- 一般条件:単独事故も補償の対象
- エコノミー車両保険(車対車+A):単独事故は補償の対象外
例)
台風時にスリップしてガードレールに衝突
→一般条件のみ補償、エコノミー車両保険(車対車+A)は対象外
自分が起こした単独事故の場合、エコノミー車両保険(車対車+A)では補償されないという違いは非常に重要なため、契約内容の確認が欠かせません。
補償対象は「車本体と付属品」に限定される
車両保険で補償されるのは、あくまで「車本体」と「固定された付属品」に限られます。
補償対象
- カーナビ(固定式)
- ETC車載器
- 純正装備品など
補償の対象外
- ポータブルナビ
- 車内の積載物(工具・アウトドア用品など)
- 燃料や消耗品
台風時は車内の荷物が損害を受けることも多いですが、これらは補償の対象外となるため注意が必要です。
保険金の支払い額と自己負担の考え方
受け取れる保険金は、損害の程度や契約内容によって異なります。
- 全損の場合:契約している保険金額が支払われます。
- 修理可能な場合:修理費から免責金額(自己負担)を差し引いた額が支払われます。
例)
保険金額100万円/免責金額20万円/修理費70万円の場合
→ 保険金50万円・自己負担額20万円
また、近年は水没による「全損扱い」が増えており、主にエンジンや電子機器が浸水した場合には、修理ではなく買い替えになるケースも多く見られます。
ファイナンシャルプランナーによるコメント
近年の大型台風や豪雨の激甚化により、自動車の水没は決して他人ごとではなくなっています。また暴風による飛来物で車が損傷してしまうといった被害も増えています。こうした自然災害リスクは、大規模であれば家屋が補償の対象になることもありますが、自動車は公的補償ではカバーされにくいのが現実です。
こうした自然災害に備えられるのは、自動車保険の車両保険です。ただし車両保険は、補償内容によって自己負担額が大きく変わる点に注意が必要です。車両保険にはいくつかのタイプがあり、補償範囲には大きな差があります。「エコノミー型で十分」と考えていると、被害を受けたときに十分な補償を得られない可能性もあります。
保険料の安さだけで判断せず、ご自身の居住地域や駐車環境を踏まえた補償内容になっているかを確認してみましょう。自分だけでは判断が難しい場合は、必要に応じて代理店へ相談することもおすすめします。

| 監修者 | 畠中 雅子 (はたなか まさこ) |
|---|---|
| Webサイト | ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ |
| SNS | |
| プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。 |













