自動車保険の基礎知識
保険会社によって自動車保険の保険料が異なるのはなぜ?
自動車保険の保険料率が自由化される以前は、自動車や運転者の条件が同じであれば、どこの保険会社で契約しても保険料はほぼ同じでした。そのため、複数の保険会社を比較する必要はありませんでした。
しかし、自動車保険の保険料率が自由化されたことで、同じ条件であっても保険会社によって保険料が異なるようになっています。実際のところ、各社とも積極的な商品開発がおこなわれ、保険料で競うだけではなく、提供する補償内容や付帯サービスにも差が出ています。
なぜ、保険会社によって保険料が異なるの?
自動車保険の保険料率が自由化されたことで、損害保険料率算定機構が提示する基準の料率を参考にしながらも、それぞれの保険会社が独自の料率で保険料を算出するようになりました。また、損害保険市場に参入する外資系の損害保険会社も増えてきており、欧米ではポピュラーであったリスク細分型(リスク細分型自動車保険)が日本でも複数社扱われるようになっています。
リスク細分型(リスク細分型自動車保険)とは、自動車事故を起こす確率を基に、自動車保険の保険料を決める考え方です。事故率を基に運転者(加入者)を分けることで、危険度の低い運転者ほど保険料は安くなり、逆に危険度の高い運転者ほど保険料が高くなります。ただし、保険会社によってリスク要因の設定・分類の方法や評価方法が異なるため、保険料にも違いが出ています。保険料を安くするためには、複数の保険会社で見積もりを取るなどして、比較・検討をすることが必要です。
リスク要因とは
保険会社によって採用している項目に違いはありますが、保険業法施行規則によればリスク要因は9つとされています。①年齢、②性別、③運転歴、④使用目的、⑤使用状況、⑥自動車の車種、⑦安全装置の有無、⑧所有台数、⑨地域の9つです。
年齢は若い方が高く(格差3倍以内)、性別は男性の方が高い(格差1.5倍以内)とされています。事故歴や免許証の色でも異なり、ゴールド免許だと保険料が低くなります。また事故が多い車種は保険料が高くなり、事故や盗難が多い地域、あるいは雪での事故が多い地域も高くなります。
走行距離も保険料算出の一因に
年間の走行距離(予想年間走行距離)もポイントになります。一般的には走行距離が短い方が保険料は安くなります。“保険料は走った分だけ”という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、走行距離に応じた保険料を算出する保険会社も増えています。保険契約の際(見積もりの際)に予想の年間走行距離数や過去1年の走行距離を申告するわけですが、走行距離の区分も保険会社によって異なります。
リスク細分型自動車保険の質問項目については、必ず正しい告知をおこないましょう。告知内容に誤りがあると、告知義務違反に問われて後々トラブルになったり、十分な補償を受けられなくなることがありますのでくれぐれもご注意ください。
ファイナンシャルプランナーによるコメント
保険料の差は、保険会社ごとの価格競争によっても生じていますが、各社のリスク評価戦略の違いによっても発生します。年間の走行距離がどのくらいか、免許証の色や年齢区分、事故歴、車種評価など、細かな設計の積み重ねが保険料に反映されています。だからこそ「以前より高くなった」「他社の方が安い気がする」と感じたら、次回の更新時は見直しを検討しましょう。定期的に比較検討することで、無駄なく必要な補償を、適切な保険料で得ることができます。

| 監修者 | 畠中 雅子 (はたなか まさこ) |
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| Webサイト | ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ |
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| プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。 |













