自動車保険の基礎知識
自動車保険の等級は引き継ぎできる?条件・手続き・注意点を徹底解説
自動車保険の等級は、保険料を決める大きな要因の一つです。この等級は、過去の事故歴や保険契約の履歴に応じて決まります。車を買い替えたり、保険会社を変更したりする際には、その等級を引き継げるかどうかが気になる方も多いでしょう。この記事では、等級の仕組みや引き継ぎの条件、手続きの方法について、注意点も交えながら詳しく解説します。
自動車保険の等級とは?
自動車保険の等級とは、過去の運転履歴に基づいて設定される、保険契約者の「評価ランク」のようなものです。等級が高いほど保険料が割安になり、優良なドライバーであると見なされます。一方、事故を起こすと等級が下がり、保険料が上がる仕組みになっています。
等級による保険料の違い
自動車保険の契約は、通常6等級からスタートします。この6等級は標準的なスタート等級とされており、保険料の割引きも割増しもない中立的な位置づけです。無事故で保険を継続すれば、等級は毎年1つずつ上がり、最高で20等級まで上がります。20等級では高い割引率が適用され、大きな保険料の節約につながります。一方で、事故を起こすなどして5等級以下に下がると、「デメリット等級」となり、保険料が大幅に割増される仕組みになっています。等級が下がりすぎると、自動車保険の契約をしてもらえなくなるケースもあります。
一例として東京海上日動の等級別割引率をご覧ください。
※ 本記載は東京海上の2025年1月1日改定を反映しています。
【等級毎の割引・割増】
初めてご契約いただく場合
| 等級 | 初めてのご契約 (6等級(S)) |
複数所有新規特則 (7等級(S)) |
|---|---|---|
| 割増引率 (%) |
3%割増 | 38%割引 |
上記以外の場合
| 等級 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 割増引率(%) | 事故無 | 108 | 63 | 38 | 7 | 2 | 13 | 27 | 38 | 44 | 46 | 48 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 63 |
| 割増引率(%) | 事故有 | 14 | 15 | 18 | 19 | 20 | 22 | 24 | 25 | 28 | 32 | 44 | 36 | 50 | 51 | ||||||
| 割増 | 割引 | ||||||||||||||||||||
※ 「割増」は保険料が高くなる、「割引」は保険料が安くなることを意味します。
出典:https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/637?site_domain=default
自動車保険の等級を引き継げるケース
車を買い替えたとき
車を買い替えても、自動車保険の等級(ノンフリート等級)はそのまま引き継がれます。
そのため、新しい車に乗り換えた場合でも、等級は変わりませんが、車両保険を付加している場合は車両価格によって保険料は変動します。
つまり、自動車保険そのものの保険料は変わらないものの、新車を購入したり、高額な車に買い替えて車両保険の契約保険金額が高くなった場合は、等級とは別の理由で保険料が上がることがあるわけです。
これは、車両の価値が高いほど保険会社の補償が支払う保険金額も高額になるためです。
自動車保険を乗り換えたとき
保険会社を乗り換えた場合でも、自動車保険の等級(ノンフリート等級)は引き継がれます。
いずれにしても等級は、「告知事項」として保険会社に正確に伝える必要があります。
もし誤った等級のまま契約して運転をしてしまうと、事故の際に保険金が支払われない、あるいは契約が解除されるなどの重大なトラブルにつながる可能性があります。
等級の引き継ぎ手続きは、保険会社や代理店と確認しながら正確に行うことが重要です。
自動車保険の等級を引き継げないケース・条件
一方で、等級を引き継げない場合や、引き継ぎに条件がある場合もあります。
以下のようなケースに当てはまると、等級の引き継ぎができないことがあるため注意が必要です。
増車したとき
お車を増やした場合、1台目の等級を2台目に適用することはできません。
2台目の車については、新たに保険契約を結ぶ必要があり、通常は6等級(初めて加入する場合の等級)からのスタートとなります。
ただし、1台目の等級が11等級以上であれば、「セカンドカー割引(2台目割引)」が適用されることがあります。
この割引を利用することで、2台目の保険料を一定程度抑えることが可能です。
友人や別居の親族から譲り受けたとき
友人や別居している親族から車を譲り受けた場合、その車にもともとかかっていた自動車保険の等級を引き継ぐことはできません。
たとえ親族であっても、同居していない場合は等級の引き継ぎが認められないのが一般的です。
契約に空白期間が生じた場合
保険契約に7日以上の空白期間が生じると、原則として等級はリセットされます。ただし、契約終了後に保険会社へ中断証明書の発行を申請すれば、一定期間内であれば等級を引き継ぐことが可能です。継続して等級を保持するには、新契約を旧契約の満期・解約から7日以内に始めるか、中断証明書を利用する必要があります。
自動車保険の等級を引き継ぐ手続きの流れ
必要書類の準備
引き継ぎの際に必要となる主な書類は、以下の通りです。お手続きの前にあらかじめご準備をしておきましょう。
- 現在加入している自動車保険の保険証券
- 新しい車の車検証
- 運転免許証
※ 保険会社によって必要なものは異なります。詳しくは各保険会社へお問い合わせください。
車両入替の場合
車を買い替えた際は、保険の「車両入替」手続きが必要です。新しい車の情報を保険会社に伝えることで、現在の等級をそのまま引き継ぐことができます。
保険会社変更の場合
保険会社を変更する場合も、等級を引き継ぐための手続きが必要です。これまでの契約内容を新しい保険会社に伝えることで、現在の等級をそのまま引き継ぐことができます。なお、保険期間の途中で保険会社を変更する場合は、「中途更改」として扱われます。
インターネットでの変更手続き
等級の引き継ぎの手続きのうち、「車両入替」の場合は多くの保険会社で、インターネット上のマイページから手続きができるため、便利です。
一方で、「中途更改」の場合は、インターネットでは手続きできない保険会社もあるため、事前に確認しておくと安心です。
電話での変更手続き
インターネットで手続きができない場合は、新たに加入する保険会社に電話で連絡し、等級の引き継ぎを依頼することも可能です。
等級の引継ぎに関するよくある質問
自動車の所有者が変わる場合、等級は引き継げる?
車両所有者が変わる場合でも、契約車両を主に運転する人(記名被保険者)に変更がなければ等級は引き継ぐことができます。
ただし、保険会社によっては、契約できる車の所有者や契約者・記名被保険者の関係に制限がある場合があります。事前に契約している保険会社へ確認してください。
自動車保険の契約者が変わる場合、等級は引き継げる?
契約者が変わる場合でも、契約車両を主に運転する「記名被保険者」が変わらなければ、等級を引き継ぐことが可能です。
ただし、契約者の変更理由や新しい契約者とのご関係によって、手続き方法が異なる場合がありますので、詳細はご契約中の保険会社に確認してください。
主に運転する人(記名被保険者)が変わる場合、等級は引き継げる?
契約車両を主に運転する人(記名被保険者)が変わる場合でも、配偶者や同居の親族など、等級を引き継げる範囲内での変更であれば手続きが可能です。
一方で、別居の親族には等級を引き継ぐことはできません。そのため、たとえばお子さんに等級を引き継がせたい場合は、同居している期間中に記名被保険者の変更を行うことが大切です。
ファイナンシャルプランナーによるコメント
自動車保険の等級は、保険料負担に大きく影響する重要な仕組みです。無事故期間が長いほど、保険料の割引率は高くなりますので、安全運転が自動車保険の保険料節約にもつながることを意識しましょう。事故あり等級が適用されると、翌年以降、複数年の保険料が高くなることは理解しておきたいところです。
運転者の年齢や車の使用目的、走行距離などで保険料が変わるケースもありますので、正しく引き継ぎ、無駄のない保険料で契約しましょう。車の買い替えや家族構成の変化があった際は、手続き方法や等級の扱いを必ず確認してください。無駄なく自動車保険に加入するためにも、毎年の更新時期には補償内容の確認をおすすめします。

| 監修者 | 畠中 雅子 (はたなか まさこ) |
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| Webサイト | ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ |
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| プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。 |













