火災保険の基礎知識
火災保険の契約期間は何年がベスト?メリット・デメリットを徹底解説
火災保険を契約する際、保険期間を何年にするかで悩む方もいるでしょう。保険期間が長いほど、保険料は割安になりますが、逆に保険期間中に補償内容を見直したくなった場合には不都合が生じることもあります。ここでは、火災保険の保険契約期間について、一般的な契約年数やそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

火災保険の契約期間について
火災保険の保険期間は、1年~5年といった選択肢があります。過去には最長で36年の契約が可能でしたが、現在は最長5年までしか契約ができません。保険期間の最長期間が短縮された理由は、大規模災害が頻発していることから、超長期のリスクを計算するのが難しくなっているためです。保険料が割り引かれることを考えますと、保険期間は最長の5年を選ぶのが望ましいですが、引っ越しを検討している場合などは、ライフスタイルの変化を考慮して選ぶことも大切です。
賃貸と持ち家での契約年数の違い
賃貸住宅に住んでいる場合、賃貸契約の期間(次回の更新までの期間)に合わせて、契約年数は1年あるいは2年になるのが一般的です。一方、持ち家に住んでいる場合は、保険料が割り引かれたり、更新の手間を省くために長期契約をする方が比較的多くなっています。
火災保険 何年契約が多いかの統計データ
ドコモインシュアランスの契約者のデータによると、最長5年になってから火災保険の契約期間で最も多いのは5年契約で、全体の約54%以上を占めています。契約者の中では割安感や安定感を求める傾向が見られます。
火災保険契約年数 | 火災年数計/火災契約件数計 |
---|---|
5年 | 54.17% |
4年 | 0.98% |
3年 | 0.74% |
2年 | 6.86% |
1年 | 37.25% |
合計 | 100.00% |
※ ドコモインシュアランスで2023年~2024年にご契約をいただいた火災保険を対象に調査
長期契約のメリット・デメリット
メリット
保険料が割安になる可能性
火災保険の保険料は、契約年数が長くなるほど、1年分に換算した時の保険料は割安になります。現在では、最長でも5年の保険期間になりますので、負担を抑えるためにも5年を基本に考えるのがおすすめです。
更新手続きの手間が少ない
5年の保険期間を選ぶと、毎年の更新手続きを省くことができるため、1年契約と比べて手間を減らすことができます。
デメリット
補償内容の見直し機会が減るデメリット
5年の保険期間を選んだ場合、契約を見直す回数は減らせますが契約期間の途中で引っ越しをしたり、他の保険に見直したくなった場合などには一度解約が必要が出てきます。引っ越しなどの予定がある場合は、1年などの短い保険期間を選ぶなど、柔軟に考えることも大切です。
契約期間による保険料の違い
火災保険 期間別の保険料相場
- 1年契約:保険料_約6万円
- 5年契約:保険料_約28万円(1年あたり約5万6000円)
当社取り扱い保険会社の以下条件における平均保険料
物件種類 | 在宅物件 |
---|---|
面積 | 100㎡ |
地震対策 | なし/不明 |
建物構造 | 一戸建て H構造 |
築年数 | 新築 |
所在地 | 東京都 |
火災保険金額(建物) | 1,500万円 |
地震保険金額(建物) | 750万円 |
火災保険金額(家財) | 500万円 |
地震保険金額(家財) | 250万円 |
補償内容 | 火災・風災・水災・盗難・ 水濡れ・破損汚損 |
支払方法 | 一括払 |
上記より、総額で見ると5年契約の方が1年契約よりも、1年あたり4000円ほど割安となっていることが分かります。
契約を中途解約した場合の影響
契約を保険期間の途中で解約した場合、未経過期間に応じて保険料が返金されるのが一般的です。返金額は、契約の未経過期間や契約内容などによって変動します。しかしながら、中途解約した場合も解約返戻金が発生しないケースや、解約返戻金額がかなり少なくなる場合もあるため、解約前によく確認しましょう。
無保険期間のリスク
マイホームを手に入れた段階では火災保険に加入したのに、保険期間が満了したのち、更新手続きを忘れてしまったり、他の保険へ乗り換える際には、無保険期間が生じる可能性があります。万が一、無保険期間に火災などの事故が発生してしまっては大変ですので、火災保険の保険期間はきちんと確認したうえで、次回の更新時期についても、手帳やカレンダーなどにメモしておきましょう。
ファイナンシャルプランナーによるコメント
現在の火災保険の保険期間は、1年~5年となっており、最長でも5年までしか契約ができなくなっています。最長で36年までの契約ができていた時代は、一括で保険料を支払うのは高額になりすぎてキツイからと、あえて短い保険期間を選ぶ方もいましたが、現在は最高でも5年分しかまとめて払えません。これからの火災保険は、保険期間を細かく区切らず、できる限り5年の契約期間を選ぶことをおすすめします。
長期の保険期間の選択をお薦めする理由は、火災保険の保険金支払いが増えているために、保険料自体が値上がりしているから。保険料を少しでも抑えるためには、長期での契約を選ぶのが確実だと思います。5年よりも短い保険期間を選ぶのは、近い将来、引っ越しをする可能性があるといった、限られたケースになるのではないでしょうか。

監修者 | 畠中 雅子 (はたなか まさこ) |
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Webサイト | ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ |
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プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。 |
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