火災保険の基礎知識
火災保険の内容とは?補償範囲や選び方を徹底解説
火災保険は、住居や家財を火災や自然災害、盗難などのリスクから守ってくれる保険です。マイホームを所有している方にとっては、欠かせない保険ともいえます。本記事では、火災保険の基本的な内容から補償範囲、保険料を抑えるポイントまで徹底的に解説します。

火災保険とは?
火災保険は、火災という名称が付いている保険ですが、火災だけではなく、水災や風災、雪災、落雷といった自然災害のリスクに備えるために非常に重要な保険です。盗難の被害に遭った場合の補償も受けられますし、家が被害に遭った場合の片づけに必要となる臨時費用が出る保険も多くなっています。火災保険に加入しておけば、万が一、火災などの被害が発生した場合に家の建て替え費用に充てられたり、生活再建をバックアップしてもらえます。なお火災保険は、マイホームに住んでいる方だけでなく、賃貸物件に住んでいる方でも加入が必要です。
火事の原因で多いものは?
火事の原因はどんなものが多いでしょうか。以下は消防庁が発表した、令和5年に実際に起きた火災の主な原因です。令和5年の建物火災の原因は1位がこんろ(13.2%)、2位がたばこ(9.2%)※となり、こんろの火の消し忘れや、たばこの火の不始末が火災に繋がっていることが分かります。
※ 出典:令和6年版 消防白書 資料編
火災保険の基本的な概要
火災保険は、主に「建物」と「家財」の補償を行うものです。建物は住宅そのもの、家財は対象物件に収容されている家具や家電、日用品などが対象となります。それぞれ、火災や自然災害などによって受けた損害を補償します。被害の状況に応じて保険金が支払われ、被害が大きい場合は修復費だけでなく、再建費用まで補償してもらえます。また、火災保険では、火災の補償に加えて、「落雷」「破裂・爆発」「風災、雪災、水災」「盗難」などのリスクも補償範囲に含まれるのが一般的です。
火災保険における保険の対象(建物・家財)
火災保険では、「住まい(建物)」と「家具や日用品など(家財)」が補償の対象です。
- 建物:自宅の本体部分や付属する構造物(物置、車庫など)や屋外設備装置(門、塀、垣など)、建物の基礎、畳や建具に類するものなど。
※ 建物に直接付属しない井戸や外灯設備などは保険会社によって対象範囲が異なる場合があります。詳細は各保険会社の商品ページや重要事項説明書などでご確認ください。
- 家財:対象物件に収容されている家具、家電、衣類などの日常生活に用いる動産
※ 動物、植物やデータ、業務に使用する動産は一般的に補償の対象に含まれません。詳細は各保険会社の商品ページや重要事項説明書などでご確認ください。
火災保険の補償内容
火災保険の補償内容は、主に次のようなものがあります。
- 火災、破裂・爆発:火災、破裂・爆発による建物や家財に対する損害
- 落雷:落雷による建物や家財への損害
- 風災・雹(ひょう)災・雪災:強風による損害や雪の重みや雹(ひょう)による建物の破損などによる損害
- 水災:集中豪雨や洪水・高潮・土砂崩れなどによる建物や家財への損害
- 盗難:空き巣や強盗の侵入時に壊された窓ガラスや盗難物※
※ 現金、小切手、印紙、切手、有価証券、手形、プリペイドカード、商品券、電子マネー、乗車券等(定期券を除きます。)、預貯金証書(預金証書または貯金証書をいい、通帳およびキャッシュカードを含みます。)は補償されません。
- 水濡れ:配水管が詰まって破裂・漏水した際の損害や上階からの水漏れによる損害
- 物体の落下・飛来等/騒擾(じょう):建物外部からの物体の落下・飛来・衝突、自動車の飛び込みや、騒擾(じょう)デモ行為などに伴う破壊行為等による損害
特約の内容(類焼損害特約など)
火災保険では基本補償の他にも、さまざまな特約(追加補償)を付けることができます。
例えば、「類焼損害補償特約」は、自宅の失火が原因で近隣住宅へ損害を与えた場合に補償されます。その他にも、「借家人賠償責任補償特約」や、「個人賠償責任補償特約」などもあります。個人賠償責任補償特約は、過失によって第三者に損害を負わせてしまった時に保険金が受け取れる補償です。たとえば、子どもが誤ってベランダからおもちゃを落としてしまい、下を歩いていた人の頭に当たってケガをさせてしまったなどという場合に、相手側の治療費などを補償してくれます。賠償責任については、思いもよらぬ高額になるケースもありますので、付けておきたい補償といえます。
火災保険が必要な理由
火災リスクの現状
火災は予期せぬタイミングで発生する事故であり、完全にリスクを避けることは難しいでしょう。ひとたび発生すると、その被害は時として深刻な経済的ダメージや精神的ダメージをもたらします。そのようなアクシデントが覆った時、火災保険に加入していなかったとしたら、損害を受けた建物の修理や再建費用をすべて自分でまかなわなければなりません。その復旧にかかる費用は、数百万から数千万円に上ることもありますし火災後の生活再建にも多大な時間と費用が必要になります。火災保険は、万が一の事故が発生した場合に、生活再建を支えてくれる重要なパートナーといえる保険です。
火災保険の保険料を抑えるポイント
比較サイトの活用
火災保険を選ぶ際は、複数の保険会社の保険料や補償内容を比較することをおすすめします。基本の補償内容は各社とも似ていますが、保険料額や特約の補償範囲などは、加入する会社によって異なるからです。比較サイトを利用することで、各社のプランを簡単に比較し、自分に最適なプランを見つけることができます。
保険期間や支払方法の見直し
保険期間が長期であればあるほど、1年あたりの保険料は割安になるのが一般的です。大規模災害が増えていることから、火災保険の保険料は改定のたびに引き上げられています。そんな保険料を少しでも抑えるためには、長期契約を結んで、保険料を少しでも抑えましょう。
ファイナンシャルプランナーによるコメント
火災保険は、自宅や家財を守るためには欠かせない保険といえます。加入する際は、一般的なお勧めプランから安易に選ぶのではなく、居住地の災害リスクも考慮して、補償内容や保険金額、特約を選択しましょう。保険料を抑えたり、自分のニーズに合った火災保険を選ぶためには、比較サイトを活用するのもおすすめです。

監修者 | 畠中 雅子 (はたなか まさこ) |
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Webサイト | ファイナンシャルプランナー 畠中雅子のミニチュアワールド見学ブログ+観光列車乗車ブログ |
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プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後は、数多くのメディアへの寄稿や監修業務。セミナー、相談業務などを行う。メディアへの掲載、登場回数は1万回を超えている。著書は「70歳からの人生を豊かにするお金の新常識」(高橋書店)ほか、70冊を超える。大学院在学中にソルベンシーマージンに関する論文を執筆したことから、保険分野の仕事も数多く手がけている。 |
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