保険の基礎知識
告知とは何ですか?健康状態が悪いと保険には入れませんか?

増田 美紀さん(仮名 35歳 会社員)のご相談
生命保険に加入するためには告知があると聞きました。告知とは何ですか?健康状態が悪いと保険には入れませんか?
増田 美紀さん(仮名)のプロフィール
| 家族構成 |
|---|
| 本人(35歳 会社員)年収:約500万円 一人暮らし |
鈴木 暁子
(すずき あきこ)先生
ファイナンシャル・プランナーからの
アドバイスのポイント!
- 「告知」は保険加入における重要な手続きです。
- 健康状態が悪くても入れる緩和型保険があります。
- 現在は緩和型保険も「さまざまな万一」をカバーできるようになってきています。
健康状態について申告し、保険加入の可否や保険料算定の判断材料とします
1.生命保険の「告知」は、健康状態を正直に伝える手続きです。
増田さん、こんにちは。増田さんのように、生命保険に入ろうと思っている方から、「生命保険の告知とは何ですか?」「以前入院をしたことがあるけれど、保険に入れますか?」といったご相談を受けることもあります。「告知」はとても重要なことなので、きちんと理解をしておきましょう。
告知とは、生命保険や医療保険等の加入に際して、自分の健康状態を正直に伝える重要な手続きのことです。保険料は、加入者にとって公平であるべきなので、保険会社としては、保険加入を希望する人が、どれくらいのリスクがあるのかを把握することで、加入の可否や保険料を判断します。
具体的には、過去の診断歴、過去の入院歴・手術歴、最近の診察・検査・治療・投薬歴、健康診断等の検査での異常の指摘、妊娠しているか等、いろいろな告知事項につき、正直に告知する必要があります。
繰り返しになりますが、告知では「正直に」が重要なポイントです。事実と異なる告知をした、重要な事項を意図的に伝えていなかった等が判明した場合、給付金を請求しても、告知義務違反として給付金の支払いをしてもらえない、あるいは保険会社から、保険契約を解除されてしまうこともあるのです。
よくあるのは、やはりどうしても悪い印象にはしたくないという気持ちからか、「この程度は該当しないだろう」とか、「今は治っているから大丈夫」などと自己判断してしまうケースも少なくありません。保険会社は細かく確認しますので、迷う場合は具体的に、「このような事項は該当するか」と問い合わせたほうが無難でしょう。告知は自分を守るためでもあると思ってください。
なお、健康状態が悪い場合、一般的な生命保険、医療保険等では残念ながら引受けを断られる、特定部位不担保(特定の部位が保障の対象外になる)等、引き受けてもらえたとしても健康体の人よりも不利になることがあります。
2.健康状態が悪くても保険加入ができないわけではありません。
では、健康状態が悪いと、きちんと保障してもらえないのかといえば、そうとは限りません。保険商品には、「緩和型」といって、一般的な保険よりも告知項目が少なく、過去の病歴や持病のある方でも申込みしやすいという商品もあります。
たとえば「過去5年以内のがんでの入院・手術歴」、「過去2年以内の入院・手術歴」等、3項目程度の告知項目に該当しなければ加入できるというのが一般的です。
注意点として、冒頭でもご説明したように、加入者の公平性を図るため、リスクの高い人ほど保険料が高くなるのが保険の原則です。緩和型保険は持病のある人も加入できますが、その分、同じ条件であれば一般的な保険よりも保険料が割高になることは否めません。
3.緩和型保険のカバー範囲は広くなっています。
ちなみに、これまで緩和型保険といえば、緩和型医療保険が一般的でした。しかし最近では死亡保険、がん保険、収入保障保険等、さまざまな万一に備えられる緩和型保険が増えてきました。健康に不安がある人にとっては、保険料が割高といっても、ご自身の持病や病気の再発時だけでなく、家族を守るための保障も得られることは大きな安心につながります。
また、死亡保障は一般的に時間の経過とともに備えるべき保障額が小さくなっていきます。死亡保険や収入保障保険などは、働き盛りの頃は割高であっても加入を検討し、子どもの独立等ライフプランの変化に応じて保障の大きさを見直すなどしながら、できるだけ保険料の負担感がないように設計していくとよいでしょう。
なお、緩和型保険といっても、どのような状態であっても必ず加入できるというわけではありません。加入してから1~2年程度の一定期間は給付金が減額されるといった条件が付く場合もあります。告知内容も保険会社によって異なりますので、複数の保険会社を比較しながら検討することをお勧めします。

| 執筆者 | 鈴木 暁子 (すずき あきこ) |
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| プロフィール | ファイナンシャルプランナー(CFP®)。企業、自治体などで講演活動を行う一方、執筆やメディア取材協力での情報発信、個人相談など精力的に活動中。ライフスタイルが多様化する今、その人らしいライフプランづくりを応援するFP。資産形成、リタイアメントプランニング、高齢期の住まいとお金のサポートを得意とする。武蔵大学経済学部非常勤講師、J-FLEC認定アドバイザー。 |





